数と式|整式に関する問題を解いてみよう

06/23/2016数学1数と式,整式,係数,次数

整式を扱った演習問題

今回は、単項式や多項式などの整式について学習した内容の確認です。

ほとんどが用語や定義についてでしたが、数学を学習する上で必要不可欠な知識です。既習内容を何度も確認し、きちんと定着させましょう。

知識が定着しているかを確認するには、演習によるアウトプットが効果的です。演習によって、知識の理解度も測れます。

「用語や公式を頑張って覚えたのに全く解けない」なんてことがないように、演習中心の学習スタイルを目指しましょう。

例題1:単項式の次数と係数

例題1

次の単項式の次数と係数を求めよ。

また、xについての単項式の次数と係数を求めよ。

\begin{equation*} \quad 5x^{2} yz^{3} \end{equation*}

例題1の解答・解説

注目する文字がない場合

注目する文字についての断りがない場合、単項式の次数は、掛け合わされている文字の個数です。

単項式を乗算の計算記号(×)を補った式に戻してみましょう。式の値を求める際には必要な作業なので、訓練しておきましょう。

例題1の解答例 1⃣

与式より
\begin{align*} \quad &5x^{2} yz^{3} \\[ 10pt ] = \ &5 \times x \times x \times y \times z \times z \times z \end{align*}
よって、単項式の次数は $6$

文字xが2個、文字yが1個、文字zが3個なので、この単項式の次数は6です。

訓練のために乗算の計算記号を補いましたが、文字の個数が多いと逆に分かり辛くなります。ですから、以下のように累乗の指数を利用しましょう。

例題1の解答例 1⃣の別解

与式の指数から
\begin{equation*} \quad 2+1+3=6 \end{equation*}
よって、単項式の次数は $6$

文字の右肩に数字がないときの指数は1です。0と間違わないように気を付けましょう。

どんな文字の累乗でも指数が0のときの値は1。$x^0=1 , \ y^0=1$

また、単項式の係数は、文字以外の数の部分、つまり文字の前にある正負の数です。与式から単項式の係数は5です。

例題1の解答

  • 単項式の次数:6
  • 単項式の係数:5

特定の文字に着目する場合

次は文字xに着目して、単項式の次数と係数を考えます。このとき、文字y,zは数として扱います

文字と数とを区別するために、単項式の中の文字を並べ替えます。文字xに着目したことが分かるように、文字xを後ろに移動させます。

例題1の解答例 2⃣

与式を $x$ について整理すると
\begin{align*} \quad &5 \underline{x^{2}} yz^{3} \\[ 10pt ] = \ &\left( 5yz^{3} \right) \underline{x^{2}} \end{align*}
よって、$x$ についての単項式の次数は $2$
また、$x$ についての単項式の係数は $5yz^{3}$

単項式の中にある数や文字の入れ替えができるのは、単項式が数や文字の積で表されるからです。数や文字が積で表されるとき、交換法則が成り立ちます。このことを利用して、数や文字を入れ替えています。

ここでは、係数にあたる部分を括弧でくくりました。括弧でくくったものは1つのカタマリとして扱えるので便利です。

xに着目したときの単項式の次数は、文字xの個数なので2となります。また、係数は文字xを除く部分なので、5yz3 となります。

例題1の解答

  • xについての単項式の次数:2
  • xについての単項式の係数:5yz3

例題2:多項式の次数と定数項

例題2

次の多項式の次数と定数項を求めよ。

また、$a$ についての何次式か。

\begin{equation*} \quad { a }^{ 2 }b-2a{ b }^{ 3 }+3 \end{equation*}

例題2の解答・解説

多項式を分解する

多項式は単項式の和で表され、それぞれの単項式をと言いました。項が複数あるので、多項式の次数を求めるには各項の次数をそれぞれ調べる必要があります。

多項式を分解するには、符号の前にスラッシュを入れると分かりやすいです。

符号の前にスラッシュを入れて分解

\begin{equation*} \quad { a }^{ 2 }b \ / \ -2a{ b }^{ 3 } \ / \ +3 \end{equation*}

多項式の次数は、文字を含む項での最高次数でした。各項の次数を確認すると、以下のようになります。

  • 1番目の項 a2 b は、文字aが2個と文字bが1個なので、次数は3
  • 2番目の項 -2ab3 は、文字aが1個と文字bが3個なので、次数は4
  • 3番目の項 +3 は、数だけなので、次数とは無関係の定数項

これより、この多項式の次数は4、定数項は3です。なお、定数項の+3について、+の符号は省略可能です。

例題2の解答

多項式の次数は4、定数項は3

特定の文字とそれ以外を区別する

次は文字aに着目したとき、多項式が何次式かを求めます。このとき、文字a以外の文字bは数として扱います

また、与式を文字aについて降べきの順に並べます。このとき、各項ごとに交換法則を利用して入れ替え、文字と係数をはっきりさせます。

なお、各項は単項式なので、単項式と同じ扱いができます。

与式を文字aについて整理すると以下のようになります。

文字aについて整理

\begin{align*} \quad &a^{2}b-2ab^{3}+3 \\[ 5pt ] = \ &ba^{2}-2b^{3}a+3 \end{align*}

文字aに着目すると、最高次数は2です。これより、この多項式はaについての2次式だと分かります。

例題2の解答

aについての2次式

例題3:整式の同類項

例題3

次の整式の同類項をまとめなさい。

\begin{equation*} \quad 3a{ b }^{ 2 }+4{ a }^{ 2 }b-{ a }^{ 2 }b+a{ b }^{ 2 } \end{equation*}

例題3の解答・解説

同類項をまとめるには、多項式の中に項がいくつあるかを把握する必要があります。そのために符号の前にスラッシュを入れて、多項式を項に分解します。

符号の前にスラッシュを入れて分解

\begin{equation*} \quad 3a{ b }^{ 2 } \ / \ +4{ a }^{ 2 }b \ / \ -{ a }^{ 2 }b \ / \ +a{ b }^{ 2 } \end{equation*}

これより、与式は4つの項からなる多項式だと分かります。

同類項は、文字の種類や個数が等しい項のことで、各項の文字部分の見た目が同じになっています。同類項を探すとき、下線を引くと区別しやくなります。

下線を引いて同類項を探す

\begin{equation*} \quad 3\underline{a{ b }^{ 2 }} \ / \ +4\underline{\underline{{ a }^{ 2 }b}} \ / \ -\underline{\underline{{ a }^{ 2 }b}} \ / \ +\underline{a{ b }^{ 2 }} \end{equation*}

文字部分の見た目が同じなのは、1,4番目の項、そして2,3番目の項です。同類項をまとめると、以下のようになります。

同類項をまとめる

\begin{align*} &3\underline{a{ b }^{ 2 }}+4\underline{\underline{{ a }^{ 2 }b}}-\underline{\underline{{ a }^{ 2 }b}}+\underline{a{ b }^{ 2 }} \\[ 5pt ] = \ &\left( 3+1 \right) a{ b }^{ 2 }+\left( 4-1 \right) { a }^{ 2 }b \\[ 5pt ] = \ &4a{ b }^{ 2 }+3{ a }^{ 2 }b \end{align*}

なお、1行目で2,3番目の項をまとめるとき、(4-1)となっています。これは差のように見えますが、2つの数4と-1の和を表すので注意しましょう。

多項式は単項式の和で表された式。また、同類項をまとめるときの計算は正負の数の加算。

例題3の解答

4ab2 +3a2 b

例題4:降べきの順に整理する

例題4

次の整式を $x$ について降べきの順に整理しなさい。

\begin{equation*} \quad { x }^{ 2 }+xy-2{ y }^{ 2 }+3x+2 \end{equation*}

例題4の解答・解説

例題3と同様に、符号の前にスラッシュを入れて、多項式を項に分解します。

符号の前にスラッシュを入れて分解

\begin{equation*} \quad { x }^{ 2 } \ / \ +xy \ / \ -2{ y }^{ 2 } \ / \ +3x \ / \ +2 \end{equation*}

これより、与式が5つの項からなる多項式だと分かります。

下線を引くときのコツ

文字xについて整理する必要があるので、多項式を分解した後、各項の文字xに注目します。このとき、文字xの指数に応じて下線を引き分けると同類項を見つけやすくなります。

たとえば、文字xの指数が2の場合、2次の項となるので二重線を引きます。また、文字xの指数が1の場合、1次の項となるので一本線を引きます。このように下線を引き分ければ同類項を判別しやすくなります。

下線を引いて同類項を探す

\begin{equation*} \quad \underline{\underline{{ x }^{ 2 }}} \ / \ +\underline{x}y \ / \ -2{ y }^{ 2 } \ / \ +3\underline{x} \ / \ +2 \end{equation*}

下線を引くメリットは、次数の区別だけでなく、係数の区別にも役立ちます。自分なりに下線の引き方を工夫しましょう。

着目する文字とその他を区別する

注目している文字xについて、次数に応じた下線を引きました。これで同類項を見つけやすくなりました。

下線を引いて同類項を探す

\begin{equation*} \quad \underline{\underline{{ x }^{ 2 }}} \ / \ +\underline{x}y \ / \ -2{ y }^{ 2 } \ / \ +3\underline{x} \ / \ +2 \end{equation*}
一本線を引いた項が2つある。
これらが同類項。

2,4番目の項が同類項なので、1つの項にまとめましょう。

なお、4番目の項には下線が引かれていないので、文字xが含まれない定数項です。文字yは数として扱うので、この項は定数項として扱います。

着目した文字のない項は、定数項として扱う。

着目した文字について降べきの順に並べる

同類項をまとめた後は、項を降べきの順に並べ替えます。文字xについて、次数の高い項から順に左から右へ並べます。

並べ替えるときは、次数に応じて引いた下線を参考にしましょう。

  • 二重下線を引いた項(2次の項)
  • 下線を引いた項(1次の項)
  • 下線なしの項(定数項)

の順に並べていけば、降べきの順に並びます。このような手順で多項式を整理すると、以下のようになります。

降べきの順に並べる

\begin{align*} &\underline{\underline{{ x }^{ 2 }}} \ / \ +\underline{x}y \ / \ -2{ y }^{ 2 } \ / \ +3\underline{x} \ / \ +2 \\[ 5pt ] = \ &\underline{\underline{{ x }^{ 2 }}} \ / \ +\underline{x}y \ / \ +3\underline{x} \ / \ -2{ y }^{ 2 } \ / \ +2 \\[ 5pt ] = \ &{ x }^{ 2 }+\left( y+3 \right) x+\left( -2{ y }^{ 2 }+2 \right) \end{align*}

なお、文字xの1次の項において、(y+3)は係数なので文字xの前に書きます。また、定数項はカッコでくくることで、どの部分が定数項かがはっきりします。

例題4の解答

x2 +(y+3)x+(-2y2 +2)

さいごに、もう一度まとめ

  • 多項式を見たら、項を把握する。
  • 特定の文字に着目するとき、その文字に下線を引く。
  • 次数(または指数)に応じて下線を引き分けると、同類項を見つけやすい。
  • 着目する文字だけに下線を引くと、その項の係数がはっきりする。
  • 数と同じ扱いをする文字は係数の一部なので、文字部分よりも前に移動する。