集合と論理|背理法について

05/20/2017数学1数と式,集合と論理,背理法,無理数

集合と論理

背理法を扱った問題を解いてみよう

次の問題を考えてみましょう。2問とも無理数を扱った証明問題なので、迷うことなく背理法を利用しましょう。

背理法を扱った問題第1問

背理法を扱った問題第2問

第1問の解答・解説

第1問
$1+\sqrt{3}$ が無理数であることを証明せよ。
ただし、$\sqrt{3}$ が無理数であることを用いてよい。

第1問の命題は仮定がなく結論だけからなる命題です。背理法で証明するために、結論が正しくない、つまり結論の否定が正しいと仮定します。「 $1+\sqrt{3}$ が無理数である」の否定は「 $1+\sqrt{3}$ が有理数である」です。これが正しいと仮定して話を進めていきます。

この仮定が正しいことを調べるために、有理数 $a$ を使って $1+\sqrt{3} = a$ と表します。あとは先ほどと同じ流れで等式を変形していきます。

第1問の解答例
\begin{align*}
1+\sqrt{3} &= a \\[ 5pt ]
\sqrt{3} &= a-1
\end{align*}

先ほどよりも両辺の関係が分かりやすいのではないでしょうか。左辺の $\sqrt{3}$ は無理数ですが、右辺の $a-1$ は有理数なので、等式が成り立っていません。矛盾が生じていることが分かります。模範解答は以下のようになります。

背理法を扱った問題第1問の解答例

問題に但し書きがあるとき、但し書きの内容を利用することを前提に考えよう。

第2問の解答・解説

第2問
$\sqrt{2}+\sqrt{3}$ が無理数であることを証明せよ。
ただし、$\sqrt{6}$ が無理数であることを用いてよい。

第2問は扱う式が変わっただけで文言は第1問と変わらないので、同じ要領で解いていきます。背理法で証明するために、結論が正しくない、つまり結論の否定が正しいと仮定します。「 $\sqrt{2}+\sqrt{3}$ が無理数である」の否定は「 $\sqrt{2}+\sqrt{3}$ が有理数である」です。これが正しいと仮定して話を進めていきます。

この仮定が正しいことを調べるために、有理数 $a$ を使って $\sqrt{2}+\sqrt{3} = a$ と表します。次は等式の変形になりますが、とりあえず第1問と同じように変形してみます。

第1問と同じような変形をしてみると・・・
\begin{align*}
\sqrt{2}+\sqrt{3} &= a \\[ 5pt ]
\sqrt{3} &= a-\sqrt{2}
\end{align*}

第1問と同じような変形では、$\sqrt{2}$ と $\sqrt{3}$ のどちらを移項しても「(無理数) = (有理数)」の形になりません。

ここで、注目するのが但し書きです。但し書きには $\sqrt{6}$ という無理数が出てきています。命題にもありません。なぜ、$\sqrt{6}$ が必要なのかを考えてみましょう。

$\sqrt{6} = \sqrt{2} \cdot \sqrt{3}$ であることに気付けば、等式の両辺を2乗すれば良いことが分かります。

第2問の解答例
\begin{align*}
{\left( \sqrt{2}+\sqrt{3} \right)}^{2} &= a^{2} \\[ 5pt ]
5 + 2 \sqrt{6} &= a^{2} \\[ 5pt ]
\sqrt{6} &= \frac{a^{2} – 5}{2}
\end{align*}

これで「(無理数) = (有理数)」の形をつくることができました。目標は同じであっても変形のやり方が異なるので気を付けましょう。解答例は以下のようになります。

背理法を扱った問題第2問の解答例

第1問と第2問は、基本方針が同じでも変形の手順が異なるので注意が必要です。このような類題は、基本方針を念頭に置きつつ、他との相違点を意識することが大切です。類題を解くことのメリットは、パターン化できることですので、しっかりと分類して得点源にしましょう。

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さいごに、もう一度、頭の中を整理しよう

  • 背理法は結論が正しくないと仮定することが出発点。
  • 背理法は仮定から矛盾が生じることを示す。
  • 背理法を利用した証明は、無理数を扱った証明が頻出。
  • 無理数を扱った証明問題では、(無理数) = (有理数)を導く。